アスペルガー症候群の人でも障害年金は利用できるのでしょうか

発達障害は近年多くの人が診断を受けるようになりました。以前では日常生活で困ることがあっても診断がつかないためにサポートなどを受けることが出来ませんでしたが、現在では発達障害の方も障害年金という制度を利用することが出来ます。

今回はアスペルガー症候群と障害年金についてアスペルガー症候群の病態や日常生活で困ることから障害年金の認定基準などを詳しく解説していきます。

アスペルガー症候群とはどのような障害

アスペルガー症候群と聞いて詳しく説明できる人は少ないのではないでしょうか?アスペルガー症候群は国際分類の診断基準によると知的障害は無いものの、興味やコミュニケーション能力に独自のルールやこだわりがある状態のことを言います。

現代では自閉症スペクトラムと呼ばれる広い意味での自閉症の枠組みに組み込まれています。アスペルガー症候群とよく似た障害としては自閉症や広汎性発達障害などがあります。アスペルガー症候群と同様に自閉症スペクトラム障害を持つ人には3つの特徴があります。

まず社会性の発達の質的な違い、コミュニケーションの発達の質的な違い、想像力の質的な違いこれら3つの特徴を満たしている場合には自閉症スペクトラム障害の特性があると言われています。

アスペルガー症候群は社会的なコミュニケーションが苦手

アスペルガー症候群は性別において差があり、男性が女性よりも約4倍程患者が多いと言われています。アスペルガー症候群は全人口の1%程度であると言われており強い遺伝的要素を持っています。多くのアスペルガー症候群の人は社会的なコミュニケーションの障害があります。

言葉を字句通りに受け取ってしまったり、他人の気持ちを考えること、共感をすることが苦手です。そのため対人トラブルに繋がってしまうことがしばしばあります。また興味の偏りや反復的な行動もアスペルガー症候群の特徴と言えます。

数字や電車、積み木などそれぞれが興味を感じるものに強い執着を示します。電車の名前や発車時刻を全て記憶していたり、円周率を永遠に言えるなど驚くべき能力を発揮する人もいます。アスペルガー症候群の人は規則的なものや順序の決まったものに惹かれる傾向があります。

反復的な行動とは床に積み木を並べたり、数を数えたりとそれぞれ違いますが同じ行動を繰り返して行うことが多いです。アスペルガー症候群の診断はいくつかの検査を行い診断を確定します。他にも小児科医や心理士との面談、言語聴覚士、作業療法士によるリハビリなども受けることが出来ます。

日常生活では対人面や仕事面で壁にぶつかることがある

アスペルガー症候群の人が日常生活において困ることにはどのようなことがあるのでしょうか?まず第一に社会的なコミュニケーションの障害が一番大きな障害になってきます。人の気持ちを理解しずらい、言葉を字句通りに受け取ってしまう、相手の言葉の裏を読むことが難しいために大人になるにつれて自然と身に着く対人コミュニケーションスキルの獲得が困難です。

これらは早くて小学校高学年から影響が出てきます。友達から仲間外れにされたり、いじめに遭ったりなどが始まりとしては多いのではないでしょうか?大人になり仕事に就くことが出来たとしても大変な努力を要します。相手の言う言葉の真意をなかなか理解することが出来なくてミスを連発してしまったり、空気の読めない発言をして浮いてしまったりと影響は多岐に渡ります。

他にもこだわりや興味の偏りによりまんべんなく仕事をこなすことが困難であったり、1つの仕事に時間がかかりすぎてしまったり、逆に全く仕事内容が頭に入らず他の作業を繰り返し行っていたりと周囲の人から見たら驚くような行動をしてしまうこともあります。

パニック発作や事故の可能性も配慮しなければいけない

仕事以外の面においてもアスペルガー症候群の人は目や耳、鼻などの感覚器官が過度に敏感または鈍感であることが多いので大きな音や眩しい光、少しの臭いでも気分が悪くなってしまったり、パニック状態になってしまうこともあります。日常生活を送る際にもたくさんの工夫が必要とされています。また、体温調節も苦手とされているために真冬にタンクトップを着ていて風邪をひいたり、夏にセーターを着て熱中症で倒れたりと周囲の人の見守りや手助けが必要な場合もあります。運動も苦手なことが多く、これは発達障害の人特有の体幹の弱さに由来すると言われています。バランス感覚が悪く、つまづいたり、転んで怪我をすることがあります。咄嗟に避けることが苦手で大きな事故に繋がる危険性もあります。中には自転車に乗ることが出来ないために行動範囲が狭くなってしまうことも考えられます。このようにアスペルガー症候群を抱える人にはたくさんの難しいことや苦手なことがあります。仕事をしていくことが難しくなった時や世話をしてくれる人が病気になった時などには障害年金を利用するという選択肢があります。では障害年金を利用したいときにはどのように申請したら良いのでしょうか?

障害年金はどのように申請したら良いか

障害年金は病気やケガによって生活や仕事が制限されるようになった場合に、現役の方も含めて受け取ることが出来る年金です。

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」の2種類があり国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が受け取れます。

障害年金を受け取るには医師の診療を受けた初診日に法令により定められた障害等級表で1級、2級の障害の状態にある場合に受け取ることが可能です。

アスペルガー症候群の場合ではアスペルガー症候群の症状または二次的な障害により日常生活を送る上で困難が生じていること、そのために常に他者の援助が必要であることをしっかり医師と相談し必要書類に落とし込んでいくことが大切です。

また日常生活の様子やどんな場面で人の手が必要か何に困っているかなどを明確にするため日々の様子のレポートを作成しておくのも良いでしょう。アスペルガー症候群は周囲の助けや理解を得ることでその人らしく穏やかに暮らしていくことが出来ます。

環境が整えば出来ることで能力を発揮し、活躍の場を持てる人も居ます。もし障害年金について悩んだり困っている場合にはかかりつけの医師や専門医またはケースワーカーなども相談に乗ってくれます。アスペルガー障害のある人のよりよい暮らしを実現するためにぜひこの記事を参考にしてください。

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